薄曇の北谷へ

120号線とかいうバスに乗ること1時間弱、「軍病院前」で下車。情報によるとここが最寄の停留所らしいが、「軍…病院…?」というのがどうも気になる。疑問に思って辺りを見回すと、無駄に広い敷地(当然フェンス越し)にポツンと病院が一軒。この敷地の無駄遣いぶり、「基地返還」って言いたくなるのも当然だなあと思った。ただ、行く前の自分はどちらかというと返還論者だったんだけど、行った後は「こりゃ返還は(少なくともすぐには)無理だなあ」と思うようにもなった。理由はいろいろあるが割愛。


で、5分ほど歩いて球場に到着。ウッズの三塁送球が滅茶苦茶なのを除けばみんな上手い。それに何より、声が出ていてグラウンドに活気が溢れている。前日に見た横浜との最大の違いはここかな。横浜も若手はそれなりに多いのに、みんな大人しすぎるよ。


↑グラウンド内部

さて、この日のお目当ては荒木と井端。ノックで常にコンビを組んでいるわけじゃないのでこの2人の評価はできないが、やはり井端、半端じゃなく上手い。今までは、どちらかというとアクロバティックなのが荒木、堅実な井端という認識だったのだが、いやはや。ボテボテの打球を前進しながらバックトス(!)など、遊び心すら感じさせるプレーに観客の目は釘付け。普段からこういう練習をしてたら、そりゃ(チーム全体も)上手くなるわな。日々の研鑽は大事だ。


このあたりで昼飯を調達しに外へ。


球場前の食堂(関係者専用)。名物は熱いおでん?


駐車場はめっちゃ混んでたけど中はガラガラな、球場前のジャスコで昼飯を買って再び球場へ。のんびりとメシを食いながらフリーバッティングを眺める。至福。こんな気分が味わえるなら、毎年ここにくるのも悪くない。そう思いつつも、昼飯を食べた後ということで多少倦怠感が襲ってくる(まあ、個人的な意見なんですけどフリーバッティングって見てて面白くないし)。ちょっとは違うとこも見に行くべ、ということでサブグラウンド&ブルペンへ。その道中…

友人 「…なあ、ちょっとあれ見てみろよ」
自分 「ん? いったい何…」

そこに立っていたのは、一人の長身の男性。茶髪にグレーのジャケットと、現役時代の自分が覚えている姿とはまったく違ういでたち。しかし、その顔は見まごう事なき…

「……い…今中っ!」

ファンの列ができている所ならそのまま後ろに潜りこめばいいのだが、この場合はそうもいかない(しかも報道関係の人と何か話してる)。チキン・人見知り・引っ込み思案と三拍子揃った自分にとっては相当なプレッシャー。見なかったふりをして見送るか?
…いや、ちょっと待て。現役選手のサインは普通にもらえなくもない。いざとなれば店で買えばいい。しかし、今中のようなOB選手に会う機会はそうそうあるだろうか? いや、ない(反語)。

ということで今中のサイン入り色紙&ボール、ゲット。


これで勢いづいた自分は、その後アレックス、川相と次々にサインをゲット(色紙は現地でも売ってました)。守備が上手い選手のほうがグッと来るので、アレックスらと一緒に出てきたウッズは「貴様のサインなんかいらんのじゃあー!」と見向きもせず。フン。

このあたりでそろそろ帰る時間となったので、最後に誰かのサインをもらって帰ろうということに。僕の弟が西武ファンなので、今年トレードで移ってきた大友がいいと思って球場前で待機。途中で現れた伊藤球団代表にサインをもらおうと考えた人間はたぶん自分だけ。

なぜか球場前の芝生の中でインタビューを受けている谷繁を見たりしているうちに監督・コーチ陣が続々と帰り始め、「そろそろお開きか?」という空気が流れ始める。そんな中現れたのが、



04年度のベストナインゴールデングラブに輝いた井端弘和*1

神野さんが「イバ(=井端)、次ラスト」「ごめん、あと3人だけね」などと言う中、黙々とサインを続けてくれたのです。感謝。ちなみに神野さんの名誉のために言っておくと、野手組のほぼ最後に上がってきたのでかなり時間が押してた模様。しかも、群がるファンのマナーはかなり悪い。その一例。

クソオヤジ「井端さーん、うちの息子が待ってるんですわー!」(といいつつ人波を強引にかき分けて近づく)
神野「はいはーい、みんなそうだからねー」(その通り!)

…自分が選手なら断りたいぜ、こんな奴へのサイン。ま、結局最後までやってくれたんですが。神野さんも待っててくれたし。


誰とは言わないけど、球場の出入り口に車を横付けにして出て行く監督とか(←あれ?)いますからね。こんな中でも、残って車の中でサインをしてくれるのはありがたいことです。「ファンサービス=球界改革の一歩」みたいに言われるのは「ん?」と思ったりもするけどね。ま、小さなことからコツコツと。

井端選手会長にサインを貰った直後、それを待っていてくれたかのように雨が降り始める。前日、あれほど濡れたにもかかわらずやはり雨具を持っていなかったのだが、今日は濡れながら気持ちよく帰途につく。前日の不完全燃焼ぶりとは違い、とても充実した1日だったなあ。満足満足。プハー。

*1:手前右側の人は、現在はマネージャーに転身している神野さん。サインを頼んだら「ゴメン、もう無理(笑)」とのこと。